REBLANCA FILM《リブランカ フィルム》
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2023-01-23 (mon)
リブラン家の人々 白石美紗子編
お葬式をプロデュースする

「リブランカでお葬式プロデュースしたいいやん!」


主人のお葬式に来てくれた友人が言った言葉です。



2021年6月20日主人のお葬式の日。

この日は、父の日でもあり、長女の11歳の誕生日でもありました。
そして延長された緊急事態宣言最後の日。
コロナ禍でのお葬式は、ごく限られた家族と友人に参列してもらいました。

主人の死から、お葬式まで丸2日。
悲しむ時間なんてなく、バタバタと準備に追われていました。


主人の家も私の家も浄土真宗ですが、宗教にはとんと無頓着。

新婚早々主人の実家で仏壇に足を向けて寝ていたら、
義母に怒られたぐらい、いろはがわかっていない私・・。

初めての喪主で、初めてのお葬式の打ち合わせ。
時間がない中、決定も早くしないといけない。
葬儀場のスタッフとの急ぎ足での打ち合わせ。

こだわりがあった訳ではなかったが、
スタッフに出されたお題(普段お願いしているお坊さんはいますか?とか、宗教は?無宗教?とか・・)
にYES/NO方式で答えていくと
自由葬(結婚式でいう人前式のようなこと)でお坊さんも来なくてお経を詠まないものになりました。
(マクドのセットにジュースとポテトは当たり前についてくるぐらい
お坊さんはセットでついてくるものだと思っていた私の無知さ故にそうなった。ザお葬式の雰囲気はなかったので、結果的には良かった。)

自由葬のプログラムは大体決まっていて、
まずは故人の紹介。
(結婚式でいうプロフィール紹介みたいなもの)

参列者は近しい人ばかりだし、主人のことを大体知っている人も多かったので、
何を紹介しようかと考えながら、主人の携帯のメモを見ていたらあるものを発見!
主人と一緒にリブランカとして結婚式を一緒にやり出して、初めて担当した新郎新婦さんの
結婚式が終わった後、私には内緒で新郎新婦さんへ送った手紙の下書きが残っていた。
そこには、結婚式で垣間見た家族の様子や自分の家族のこと、そして、これからも私を宜しくというような彼らしいものだった。
それを佐瀬ちゃんから読み上げてもらった。

その後、映像上映。
コロナ禍での闘病ということもあって、友人と会うことも限られていたし家族にさえ弱音を吐くタイプではなかったので、闘病の様子は、友人はほとんど知らない。
せめて最後に病気に向き合ってきた日々を伝えられたらと思って作った映像だった。

そして弔辞。
私の父と佐瀬ちゃんとりゅうちゃん。

私の父のことを尊敬してやまない主人だったので、父からの言葉をお願いした。
佐瀬ちゃんは、用意した手紙を泣きながら読んでくれた。
佐瀬ちゃんの当時4歳だった子どもが、泣いているママを見て心配で
足元にずっとくっついていた様子も涙を誘った。

何よりも人前話すことが苦手なりゅうちゃんには驚かされた。

手紙もメモも何も持たず遺影の前に行って

「この遺影に向かって喋ってるこの状況って・・・なんなんですか」寂しさの中に怒りを感じるような
口調から始まり、
「馬場さん、昨日の巨人は戸郷がいいピッチングしてましたよ」って、
よく2人で野球の話をしていた、たわいもないことを話し出した。

最後に
「今日はなっちゃんの誕生日です。
みんなで歌を歌ってくれませんか?」と皆に声をかけてくれた。

いつも人の影で、縁の下の力持ち的なりゅうちゃんが
皆の前で大きな声を出して、皆を立たせて率先して大きな声でバースディソングを歌ってくれた。
私もまさかの流れに、もう笑い泣きしてしまって感情もぐちゃぐちゃ。笑

お葬式で、ハッピーな歌が響き、笑い声が響くことも、普通だとないシチュエーションだと思ったが、
皆が泣きまくるよりは、誰よりも皆を笑わそうとしていた主人にはぴったりな
お見送りができたんじゃないかなと思った。

本当に皆のお陰です。感謝です!

たった30分ほどのお葬式だったけど、
私たちらしさがぎゅっと詰まった愛おしい時間になりました。



そうして、最初の友人の言葉に戻るんですが・・
答えは
「NO」

結婚式よりも、宗教的な要素の割合が大きいお葬式では
まだまだ未熟な私には、難しいと感じたし、
何より死と向き合う現場に心が耐えられる自信が全くない!
それにはまだまだ人生経験を積まないといけません。

主人のお葬式から、1年半。
初めてのお葬式を経験したお陰で、結婚式への向き合い方は確実に変わりました。
結婚式の挙式も30分。形式的なものになりがちな挙式。
たった30分の挙式の中で
新郎新婦へ、家族へ、どんな言葉を残してあげられるか、どんな感情を残してあげられるか・・
そこが私たちプロデューサーの腕の見せ所であり、責任だと
以前よりもプレシャーを感じながら打ち合わせをしています。

主人のお陰で、またまた大切なことに気付かせてもらいました。

あと、30年ほど・・人間として徳を積んで、ちゃんとした大人になった先に
もしかしたら、お葬式のプロデュースもやっているかもしれません・・笑
その前に私が死んでるかもしれないし!未来のことは誰にも分からない!
それはさておき、まずは、ちゃんとした人間になれるようにもっともっと精進します!!笑