REBLANCA FILM《リブランカ フィルム》
お問い合わせ
2023-05-12 (fri)
REBLANCAweddingのこと
結婚式が持つ力
20代の頃、まだ若くて割とひねくれていた私は
大体の女性なら興味を持つであろう
キラキラとした世界の結婚式というものに全くと言って
いいほど興味がなかった。

それなのに、周りにまわってウェディング会社に就職してウェディングプランナーに。
それまでの結婚式に対しての先入観があったからか、初めて見た結婚式でかなり衝撃を受け、
クリエイティブな要素と、人間味が溢れる現場に魅了されたことをよく覚えている。

そこから、結婚式の仕事に携わり続けて、20年近く経とうとしている。(はや!)
自分自身も結婚、出産、独立・・とライフスタイルが変わるにつれて
結婚式に対しての軸や大切にしたいことも少しづつ変化してきた。

ただ一つこれだけながく続けてこられている理由は
結婚式がドキュメンタリーであり、その結婚式が持つ力に
魅了され続けているからだと思う。

ドレスやお花、料理やギフト華やかなイメージの結婚式の奥には
新郎新婦さんや、それぞれの家族やご友人取り巻くいろんなストーリーがあって
人間関係がある。

それぞれのストーリーを打ち合わせの中で半年以上時間をかけてお話しを伺っていると
プランナーというよりも、2人をよく知りすぎている急に登場してきた友達親友?親戚のおばちゃん?
みたいな立ち位置になってきます。笑
だから当日目にするゲストの表情を見ていると
いろんな話と重なって、心を揺さぶられる瞬間が多々あります。

そんな結婚式では、これまでの関係性を1日で変えてしまうほどの大きな力があり、
その瞬間にたくさん立ち会ってきました。
これまで家族のお話を伺う中で、
実は、親と少しぎくしゃくした関係になってしまったままきっかけがなくて・・そのままということも
少なからず話を伺ってきました。


警察のお仕事をされていて昔からとても厳しかったというお父様と新婦様のお話し。

「お父さんとはバージンロードを歩きたくない」
いつも温和で優しい新婦さんから想像だにしない打ち合わせのお中での言葉。
理由を伺うと、学生の頃自分がしんどかった時に、寄り添ってもらえず、
厳しく怒られ、気持ちを理解してくれないと感じたことがあったことが原因だった。

お父さんとしては娘を心配する愛情がゆえ、表現の形が少し違ってたのかもしれない・・
そんなお父さんの気持ちも、新婦さんの気持ちもわかるし・・・
と私たちもどうすることが一番いいのかと一緒にたくさん話しをしました。
最後はお父さんと歩くことになりました。

挙式の後の披露宴では、新婦さんの友人から昔のお話があったり、新婦さんから友人へ
気持ちを伝える場面があったり
きっとお父さんの知らない新婦さんが見えた時間になっただろうと想像します。

披露宴も無事に終わり
ゲストをお見送りしている新婦さんを少し離れたところで待つお父さんの姿。
ゲストをお見送り終えた新婦さんに
「今までしんどかったこと気づいてあげられなくごめんね ほな帰るわ」
と目を合わさずに少し照れくさそうに声をかけたお父さんを見た時、
ちょうどその場面に居合わせた私は、胸がぎゅうっと掴まれる思いがしました。

きっとこの一言でこれまで、お父さんと新婦さんのすれ違っていた気持ちが
少しだけ近づいていた。
結婚式の1日を末席で見守りながら、いろんな感情が湧き上がって
最後に一生懸命気持ちを言葉にして伝えてくれたお父さんの姿は
きっと新婦さんに届いたと思います。

こんな心が動かされたり、結婚式がドキュメンタリーだからこそ。

ただ、大切なのは、新郎新婦さんは結婚式の準備を通して、
これまでの自分たちを振り返り、ゲストと向き合って準備をしてきたから
生まれた場面であり、生まれた力だと思います。

そんな心揺さぶられる最高の場面に出会うため
私たちも2人と正面から向き合って結婚式のお手伝いをしています。